バラ鞭の構成要素

SaMidareのバラ鞭に関して現状でのそれを構成する要素を紹介します。

1,房
2,握り
3,見た目


1,房
房はバラ鞭で受け手に当たる部分のことです。

a、長さ
  多くは50-80cmほど。
  相手を抱いた状態で責めるような場合はより短い30-40cmほどもあり得ます。
  四つん這いなどにさせて打つ場合に背の高い責め手の場合相手に届かせるために房の長いものが使いやすいでしょう。
  責め手の体格、使い方に合わせた長さを検討する必要があります。
  
b、太さ
 房の1つ1つの太さによって当たりの感覚が変わってきます。太ければ太いほど風を受けやすいです。
軽くて太い房だと「はらり」としか打てない可能性があります。
 途中で太さを徐々に変えるのもバランスを取る方法のひとつです。

c、厚み
 房の一本一本の厚みが違うと「重さ」と「硬さ」に影響があります。
 あまり硬めの革の場合薄めに作り、柔らかめの革では厚めに作るとバランスが取れます。

d、重さ
 房の一本一本の重さと房全体の重さという側面があります。
 まずは全体の重さから逆算して一本一本の重さを導き出します。
 全体として軽すぎると振る腕に力が必要になり負担が大きくなります。
 ある程度の重さがあると房自体の重さを利用して打てるので最終的に負担が少ないです。もちろん重すぎは持ち上げる負担や相手に対しての加減の難しさなどが出てくるのでバランスの取れた重さが望まれます。
 その後、房の数と厚み、太さなどでバランスを取ったところで房のひとつひとつの重さが自然と出てくるものかと考えています。

e、本数
 〇条鞭を作る、というように本数から考えずに全体のバランスを考えて最終的に本数が出てくるような作り方が良いと考えています。
 本数の指定はできるだけされないほうが良いものができる可能性が高いです。
 
f、素材
 基本的に革で作ることを念頭に入れているが、その革には
 「硬さ」「鞣し方」「油の含有量」「香り」「表面の処理」など様々な要素があります。

 「硬さ」
 使っていくうちに柔らかくなってはいきますが、硬さによって相手が受ける負担がかなり違うのであまり硬い物の場合は薄めに作るなど工夫が必要です。

 「鞣し方」
 タンニン(植物性)鞣しとクロム(薬品)鞣しがあり、タンニンのほうが経年変化が起こりやすく、クロム鞣しは割と一定の状態が保たれます。
現在流通している革の9割はクロム鞣し。こちらのほうが安く簡単に鞣すことができます。
SaMidareでは昔ながらの植物性の革を惜しまず使っています。

 「油の含有量」
 革自体に油が多く含まれているものはしっとりしています。特に革を張り合わせて両側を表にしない場合はどうしても革の裏側が出てしまいます。
その場合あまりにパサパサの革では毛羽立ちが多くなると考えられるので、ある程度油が多いほうがよいと考えられます。

 「香り」
 多くの方が革製品を手に取るとその香りにうっとりと目を細めます。上質な革はとてもよい香りをさせるので細かな点ではあるが革そのものの質も高いものを使いたいです。

 「表面の処理」
 つるっとした表面のものもあれば、人工的に揉んだり、化学的に収縮させたり、型押ししたりして皺を出す加工をしたものや(シボ)、ひっかいたような加工をしているものもあります。

g、両面、片面
 通常革は裏を見せない作りをすることが一般的(ワイルドな作りのものは別として)で革を張り合わせて使用します。
革の裏を見せることはちょっと恥ずかしい形。
 しかし
・張り合わせるだけでは剥がれてしまう可能性が否定できない。
・周囲を縫うにはあまりに距離がありすぎる。
などの理由から裏を見せて作られていることが多いです。
 私は貼り合わせて作ることもあれば、裏を見せて作ることもあります。裏を見せるときはなるべく表面(銀面と言います)と裏面の差がわかりにくい物を使うようにしています。

h、コバの処理
 コバとは革の「へり」のこと。ここは面を取ったほうが丁寧です。
面を取るとは角を丸めること。何の処理もしなくても使っているうちに面は取れてくるが品物として仕上がり時には尖って無い方がよいと考えています。
そうすることによって嫌な痛みではなく良い痛みを与えることができます。

i、先端の形
 房の先端はただ四角く切るのか、丸みをつけるのか細くしていくのかで当たりの感覚が若干違ってくるはずです。SaMidareでは通常丸みをつけています。
 また、貼り合わせた場合に剥がれないように先端2目だけ縫う場合もあります。

2,握り
握りは責め手が握る部分

a、長さ
 長すぎ、短すぎはバランスが悪いです。房が重い場合は握りもある程度の長さにしておくとバランスが取れます。

b、太さ
 握る手の大きさに寄るところが多いので体格に合わせて太さは考えるとよいです。
おおよそ直径25mm~30mmくらいがよいでしょう。根元に近いほうを多少太めにしておくとすっぽ抜けがしにくいです。

c、素材
 SaMidareでは鞭の握りは木の肌目を大事に見せたいので黒檀を使う場合が多いです。しかしある程度の硬さがあればどのような木でも大丈夫。紫檀やパープルハートなども色気があってよいですね。

d、形状
 テクニカルな打ち方をされる場合はまっすぐな形状がやりやすいこともありますが、一般的な打ち方をするようならば少し曲線があったほうが色気が出ます。
 ストラップを付ける方もおり、鞭を離して縄を直すなどした後にまた鞭を握るというように使えます。

3,見た目

a、革の質
 革は前述のとおり手間のかかる植物鞣しの中でも最高級なものを使用しています。イタリアのバダラッシ・カルロ社の美しく、香り高く、しっとりしたものでこの質感こそがSaMidareの品物を上質に仕上げさせてくれているものです。

b、握りの質感
 天然木を丁寧に旋盤で削り込み作り上げています。硬い木ですので簡単に削れないものですが、時間をかけて美しく仕上げます。ウレタンなどでコーティングはせず、サンディングの後はオイルを軽く染み込ませて手触りよくしています。見た目にも落ち着いたつや消し感で上品に見えます。

c、丁寧な縫製
 革はぐるぐると巻き付けているのではなく2重なしは3重で革のコバとコバを突き合わせてすくい縫いで仕上げています。ぐるぐるがちゃん、としないところに美しさを見出してもらえるとありがたいです。


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